サッカーの試合でフリーキックの際に、選手たちが「壁」と呼ばれるものを作ります。この壁について以下のような疑問を持ったことはありますか?
- そもそも何のために壁を作るのか
- 壁はどうやって作るのか
- なぜ壁に攻撃側が入っているのか
- なぜ壁に寝る人が必要なのか
このような疑問を解決するために、フリーキックの壁について説明したいと思います。
壁を作ることで、失点の確率を減らす
フリーキックの際に壁を作る理由は、失点する確率を減らすためです。壁の役割は、大きく以下の2つです。
- シュートを直接ブロックすることが出来ます。
- シュートコースを限定させることで、GKが守備しやすいようになります。
フリーキックの際に壁を作らないと、シュートブロックが出来ません。そして選択肢も多いことから、GKが判断に迷うこともあります。すると失点する確率が増えてしまいます。
一般的な壁の作り方
失点する確率を減らすために、一般的には次の3つのルールで壁を作ることが多いと思います。
- ボールとニア側のゴールポスト(ボールに近い側)を結んだ線に少し余裕を持たせて壁を配置します。
- GKはゴール中心より少しファー側(ボールから遠い側)に構えます。
- 壁にスキマを作らないよう密接します。
ゴールのニア側(ボールに近い側)は壁でシュートブロックをし、ファー側(ボールから遠い側)はGKが守備することで、失点をしないようゴールを守ります。
壁の枚数(人数)は、ゴールまでの距離によってGKの判断になるかと思います。ボールとゴールが近い時ほど、壁の枚数が多くなります。
壁を作っても、失点するリスクはある
壁を作ることで、失点する確率が減ります。しかし確実に失点をしないということではありません。次のような場合は、失点してしまうリスクが高くなります。
- 壁を避けてシュートされる場合
- GKが反応出来ないようなシュートをされる場合
- 壁のスキマを通るようなシュートをされる場合
壁を避けてシュートされる場合
壁の横や上を通過し、その後ゴールに向かうようなシュートが求められます。このようなシュートには高い技術と精度が求められます。
壁の横を通過するシュートの場合、カーブする必要があります。
壁の上を通過するシュートの場合、ドライブ(落ちる)する必要があります。
壁の選手が寝そべる場合
次のようなシーンも考えられます。壁となる選手たちがジャンプをし、壁を高くすることでシュートブロック出来る確率が高くなります。しかしこの時、壁の下側を狙われることもあります。
よって壁の下側をブロッックするために、選手が寝そべることがあります。
壁に攻撃側の選手が入る場合
壁に攻撃側の選手が入ることで、
- GKが反応出来ないようなシュート
- 壁のスキマを通るようなシュート
を作り出すことが出来る場合があります。
ボールとGKの間に立つことで、GKの視界を遮ります。GKにとってボールが見えにくい状況だと、シュートのタイミングがとりずらいなどの場面が予測されます。またボールが見えるようにGKが位置をずらしてしまうと、キッカーにとって有利となってしまうこともあります。
壁にスキマを作る目的で、あえて攻撃側の選手が入ることがあります。シュートされたボールを避けて、壁にスキマを作ったりします。またスキマからシュートが通過することで、選手に当たってシュートコースが変わって(リフレクションと言います)ゴールとなる場合も期待出来ます。
このような状況を作り出すために、壁の中にあえて攻撃側の選手が入ることがあります。
壁を作るための時間を確保する
フリーキックとなってしまう時は、ファウルを取られる時です。攻撃側が直ちにプレーをスタートすれば、壁を作れません。よって壁を作るための時間を確保する必要があります。
そのためにボールの前に立ち、試合をストップさせます。そうすることで壁を作るための適切な時間を確保することが出来ます。
まとめ
フリーキックの際に壁を作る理由は、失点する確率を減らすためです。壁の役割は、大きく以下の2つです。
- シュートを直接ブロックすることが出来ます。
- シュートコースを限定させることで、GKが守備しやすいようになります。
失点する確率を減らすために壁を作りますが、壁の役割が破綻して失点してしまう場合もあります。
フリーキックは攻守の両チームにとって重要な局面であり、壁の存在がゲームの行方を大きく左右する要素の一つです。フリーキックの際の壁に注目することも、サッカー観戦の魅力の1つだと思います。
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